Column
高見沢俊彦のギターがなぜ強く印象に残るのか
高見沢俊彦さんのギターは、音を出す楽器であると同時に、ステージ上の視覚的な記号でもあります。一般的なエレキギターの形から大きく離れたデザイン、強い色、天使やファンタジーを思わせるモチーフ、複数ネックのような構造は、初めて見た人にも強く印象を残します。THE ALFEEをあまり知らない人でも、「派手なギターの人」として記憶していることがあるくらいです。
ただ、見た目が派手だから目立つ、というだけではありません。THE ALFEEのライブは、楽曲のスケールや照明演出とギターの存在感が結びつきやすいバンドです。大きな会場でスポットライトを浴びたとき、変形ギターの輪郭は遠くの席からでも分かりやすく、ステージ全体の絵を作ります。楽器そのものが演出の一部として機能している、と言ってもいいと思います。
このサイトのギターコレクションを見ても、同じESP系のギターでもモチーフや形がかなり違います。天使、薔薇、恐竜、キャラクター的なデザインなど、単に「珍しいギター」を集めているというより、その時期のステージや楽曲のイメージと一緒に記憶されているものが多いのが面白いところです。
ファンにとっては、ギターを見るだけで「あのツアー」「あの曲」「あの映像」を思い出すことがあります。音だけでなく、見た目まで含めて記憶に残る。高見沢さんのギターが特別に語られやすいのは、楽器がライブ体験の記憶と結びついているからだと思います。
独断と偏見で高見沢俊彦、というかTHE ALFEEのギターソロのベストを挙げるとすれば、まずは日本平オールナイトコンサートのライブ版「夜明けのLANDING BAHN」、そして同じくオールナイトコンサートの「祈り」あたりでしょうか。
あー、あとやっぱり『TOKYO BAY-AREA』の最後に演奏された「ROCKDOM -風に吹かれて-」の、あのエンディングのアドリブっぽいギターソロも外せません。
高見沢さんというと、本格的なギタリストやギターを弾いている人から見れば、正直テクニック的には「?」がつくギタリストであることは承知しています。ただ、以前どなたかも仰っていましたが、THE ALFEEの楽曲の中でこそ彼のギターは最大限に輝くようにできているのだと思います。
単に技術的に上手いだけなら、スタジオミュージシャンのように極めて綺麗に弾きこなす人がALFEEのギターソロを弾いてしまうと、「うーん、なんかちょっと違うんだよな」となってしまうに違いありません。音楽というのは本当に不思議なものです。
例えば、ジミー・ペイジの代わりにイングヴェイ・マルムスティーンやスティーヴ・ヴァイのような超絶技巧派ギタリストがLed Zeppelinを弾いたら、全く違うものになってしまい、「テクニックは凄いけれど、求めているのはこれじゃない」となってしまうのと同じ理屈ではないでしょうか。