Column
肩パットの時代と建造中のみなとみらいのあの建物――1990年夏のTHE ALFEE野外ライブ
THE ALFEEの1990年8月のライブDVD(横浜・みなとみらい21臨港パークでの夏の野外イベント)を久しぶりに観ました。改めて見返してみると、演奏面でも映像の時代背景的にも面白い発見がたくさんあって、かなり見応えのある1枚でした。 DVDのタイトルとしては『THE ALFEE BRIDGE ACROSS THE FUTURE REEL I & II 1990.8.12 YOKOHAMA MM21』になります。
まず音響面で印象的だったのが、全般的に楽器の音が大きく前に出ているミックスになっている点です。途中からそれほどではなくなりますが、特に桜井さんのベースがものすごくクリアによく聴こえるので、桜井さんのベースを堪能したい人にはかなりおすすめできる映像だと思います。
当時のギターも今見ると味わい深いですね。高見沢さんはまだ今ほど変形ギターばかりではなく、愛用のフライングAを弾きつつ、ポール・リード・スミス(PRS)のギターを弾いている姿もバッチリ映っています。
セットリストも懐かしい曲がたくさん入っていてテンションが上がりました。「Nervous Breakdown」や「Loving You」、「黄昏に瞳を閉じて」といったナンバーが久しぶりに聴けたのは本当に嬉しかったですし、今ではあまり聴けない「Roll Over Yesterday」が演奏されているのも貴重でした。「Swinging Generation」も、アルバム『AGES』のバージョンからこの頃すでにアレンジがガラッと変わっていて、ライブ仕様のあのドライブ感が個人的にすごく好きなバージョンです。
そして、この映像で特筆すべきはやっぱり「DNA Odyssey」の演奏シーンですね。ずっと昔に観て、「いつのライブだったか高見沢さんが最後の最後で歌詞というか、歌う順番を間違えてしまった映像」の記憶がずっとあったのですが、今回観直していて「あ、この時のやつだったんだ!」と判明しました。最後の最後に痛恨のミス!といった感じでしょうかw どう間違えているかは観てのお楽しみ。残念ながらその瞬間のメンバーの表情はカメラに抜かれていませんでしたが、坂崎さんも桜井さんもコーラスを歌っている最中だったので、笑うに笑えなかったのかもしれませんね。
客席のノリや会場の風景にも時代が色濃く映っています。「FLOWER REVOLUTION」でぴょんぴょん跳ねるのは当時すでにやっていましたが、サビで腕を交互に突き上げて盛り上げるあのお馴染みの振り付けは、まだ無かったんですね。発表されて間もなかった頃ならではの光景で、見ていてちょっと新鮮でした。客席がたくさん映るのも、夏の野外ならではのあの開放感がダイレクトに伝わってきてやっぱり良いものですね。
さらに時代を感じる小ネタとしては、みんなの衣装の肩パットがしっかり広いこと(笑)。まさに90年代の空気感です。あとライブ開始直後はまだそこそこ明るいので外の景色もよく見えるのですが、今のみなとみらいのシンボルであるあの半月型(扇型)の建物(インターコンチネンタルホテル)が、まだ建設途中だったのが分かります。これも見ていて驚きのワンシーンでした。
全体を通して改めて感じたのは、あの複雑な曲が多い中で、ライブでの再現度がものすごく高いことです。ただ原曲をなぞるだけではない、ライブならではの荒削りな勢いというかドライブ感があって、「やっぱりTHE ALFEEは筋金入りのライブバンドだな」と思い知らされる大満足の1枚でした。