Column
3,000本ものライブを積み重ねたTHE ALFEEの軌跡を大音量・高画質で体感
『劇場版 THE ALFEE 3000PREMIUM ~トラベリングバンドが刻んだ3000本の奇跡と軌跡~』を観て、改めて感想です。
4,000円と通常の映画料金に比べるとお高めですが、それでもぎっしりと席を埋めていくファンの姿を見ると、この3人の52年がいまも熱く息づいているのだと実感します。
本作は、2024年の全国ツアーから2026年4月17日の東京ガーデンシアターでの通算3,000本目までのバックステージに密着し、過去の貴重な資料映像や写真、メンバーの撮り下ろしインタビューを織り交ぜた構成になっています。普段は見られないステージ裏の素顔や緊迫感も垣間見え、観ていて胸がドキドキしました。フォークからプログレまで、活動休止も解散もなく走り続けてきた軌跡が、舞台裏のリアルとともに丁寧に描かれています。
高見沢さんが制作総指揮を務めたこともあり、映像の美しさと音の迫力は映画館の音響設備でこそ味わえる格別なものでした。あの大音量でライブ音源を浴びていると、チケット争奪戦でなかなか会場に足を運べないファンの無念さも、少しは和らいだのではないでしょうか。特に「青い瞳のジュディ」のカバーは、40周年の武道館ライブアルバムにも収録されていて数え切れないほど聴いていましたが、大画面・大音量の映像付きで体感すると全く迫力が違います。これには本当に大興奮でした。
Xやレビューを見ても、「ポップコーンを食べるのを忘れるほど見入った」「知っている映像も知らない映像もあって、あっという間の2時間だった」「最後の『SWEAT & TEARS』で自然に涙が溢れた」と、絶賛の声が並んでいます。新規の方にはバンドの歩みがよく分かり、長年のファンにはただただ涙なしには観られない。そんな作品になっています。
一方で、「2000年代の歩みに関する描写が少し駆け足だった」という声もあり、2時間の尺に収める難しさはあったのかもしれません。また、「料金が高い」「静かなインタビューの場面で袋のカサカサ音が気になる」といった指摘もちらほら見受けられます。ドキュメンタリーだからこそ、息を呑んで言葉に集中したい瞬間があるのは非常によく分かります。
しかし、本作を通して改めて強く確信したのは、「この3人の音楽を聴き続けてきて本当に正解だった」ということです。 デビュー15周年にも満たない頃、高見沢さんが雑誌のインタビューなどで「僕たちの究極のメッセージは、音楽をやり続けることだ」と語っていたのをよく覚えています。当時は純粋に楽曲が好きで聴いていたため、「なぜやり続けることが究極のメッセージになるのだろう?」とあまりピンときていませんでした。
ですが今なら、その言葉の意味が心の底からよく分かります。彼らはミュージシャンですが、彼らが届けてくれている真のメッセージとは、単に楽曲そのものだけではなく、「音楽を途切れずやり続けていることの尊さ、凄み」であり、その生き様を通してどれだけ多くの人々に勇気や感動を与え続けているか、ということなのだと思います。同じ音楽であっても、半世紀以上ものあいだ現場に立ち続けてきた人間が鳴らす音の重みは、やはり違って響いてくるのが人間というものではないでしょうか。
古参であれ新規であれ、THE ALFEEの3人を追いかけ続けることは、決して後悔させないと断言できます。チケットが取りにくくなっている今だからこそ、3人が健康で、これからも長く続いてほしいという祈りのような願いが、スクリーンから客席へまっすぐ伝わってくる素晴らしい映画でした。本人たちの力と私たちファンの力で、ぜひとも「60周年」の景色を実現させたいものですね。
上映は17日頃までとのこと。まだの方は、ぜひ劇場の大スクリーンで体感してみてください。